三重県 ノンタンさんのお話

年中 はさみと絵の具による制作

息子が発達障害を指摘されたのは、2歳9ヶ月の頃でした。勧められた療育機関に週1回 通っておりましたがほとんど息子の行動に変化を感じることができませんでした。3歳0ヶ月で、アメリカで生活することになりその療育は終了となりました。それまで、療育についての知識が乏しく、渡米の直前にABA療育について知り、教材を取り寄せて我々自身での療育を試みておりましたが、想像以上に困難であることを実感し、4ヶ月ほど大きな成果もなく、時間だけが経過しました。この時点では、目が合わず、発語はほとんどみられず、動作模倣が数種類なんとか可能といった状況でした。

さらに、息子は渡米後、周囲の環境の変化が影響したせいか、もともと見られたかんしゃく、自己刺激、睡眠障害、偏食等の問題行動が増えていきました。日々かんしゃくは治まらず、セラピーをするにも椅子に座ってくれず、呼んでも来ない毎日の中、引き続き時間だけが過ぎていきました。

当時の息子は、とにかくかんしゃくがひどく、言葉が出ていなかったせいか泣いて訴えることで自分を通そうとしてきました。床や地面に身を投げて泣き叫ぶ以外にも、人を押して叩く、噛む、自分の体や頭を叩く、物を投げるなどの問題行動もありました。又、唾遊び、手をひらひらと動かす、同じ音を繰り返して言うなどを始めとした多くの自己刺激を行っていました。それ以外にも道路に飛び出したり、駐車場で走ったり、同じところを歩くこだわりがあったため、外出することもままならない日々が続いておりました。

年長 冬休みの思い出

当時の私たちは、問題行動を起こさせないためにお菓子をあげたり動画を見せたりと機嫌をとるようなことをしていました。今思えば、ABAとは真逆の様な方法で対応していました。日々の息子とのやりとりは、全て悪循環でした。当時の息子は、これをしたら親は困るだろうということを知っていたかの様に手を変え品を変え、様々な問題行動を起こしていました。

どうしたら良いものかと悩んでいた折、上原先生の存在を知り、質の良いABAのサービスを受けることの重要性を知り、コンサルテーション、ワークショップをもとに本格的なABAを開始することになりました。この初期の一番困難な時期にワークショップによる直接指導をしていただける機会に恵まれたことが本当に大きかったと思います。初めての直接訪問での事は今でもよく覚えています。数時間のかんしゃくの後、上原先生の一言の指示で自ら椅子に座るということをした瞬間、息子は変われるかもしれないと「一筋の光」が見えました。その光を糧に私たち家族は前進し、涙は笑顔へと変わって行きました。

これをきっかけに、上原先生のもと正しくABAの指導を受け、その都度言われたことを出来る限り実行したところ、かんしゃくは叫びになり、叫びはぐずりになり、ぐずりは足で床をドンドン鳴らすようなジェスチャー的な物になり、言葉での言い返しや悪態的な表情に変わっていきました。問題行動は完全になくなったわけではなくても、上原先生がよくおっしゃっていた、「社会的により受け入れられやすい行動」へと変わっていった事は顕著でした。

空手教室

又、ABA(DTT)がピタッとはまったのか、ABAを開始して間も無く言葉が出て、食事、着替え、手洗いなど自立を促すスキル、コミュニケーションや遊びのスキル、アカデミックスキル等の習得はどんどんしていき、最初は課題を行う時もかんしゃく、ぐずりなど抵抗が強かったですが、学ぶことへの達成感や満足感を垣間見ることができました。

自己刺激については、できることが増えていくと共に減っていったりを感じましたし、指導を受けた介入法を試して減らしたり無くしたりしていきました。問題行動への対応は息子との根競べのようなところもありましたが、その時間やエネルギーの投資が長い目で見たら何てことないと感じるようになり、大事なのはひとつのやり方に集中し効果的なABAを行っていくことだと実感しました。

現在の息子は、数々の問題行動で私たちを悩ませていたところは感じられないほどの成長を遂げてくれました。療育初期に悩んでいた大方の問題行動は見られず、かんしゃくは就学前には起こさなくなりました。集団での指示も入る様になりました。又、公文や空手の習い事にも楽しんで参加しており、担任の先生には息子の持つ障がいを理解していただきながらも、最近は困っていることはないとまでおっしゃっていただけるほどになりました。まだまだ克服点はあり、周りの理解が必要ではありますが、息子なりの充実した社会生活を送っているのではないかと感じております。コンサルを卒業した今も、上原先生が提案され続けている「ABA的な関わり」を忘れぬ様日々、心掛けております。

夏休みの自由課題

私たちは、上原先生に救われました。コンサルでお会いした後はもちろんのこと、特に直接訪問のあとは私たちのモチベーションやスキルもあがり不思議な魔法にかかったみたいになりました。そして主に療育に携わっていた母である私は上原先生から自分自身の課題として、「週一回は必ず自分一人の時間を持つこと!」と言われていました。上原先生は私の良き理解者で、本当に一緒にここまでやってきたという感じで感謝の言葉しかありません。

ABAを行うことは息子と私たち家族の幸せのためだと強く思っています。まだABAを始められていないご家族の方に少しでも早く始めていただき幸せになっていただきたいです。

上原先生、本当にありがとうございました。



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