偏食克服

今月のできたよ!

いくつかのリサーチ結果にて、自閉症のお子さんは、特定のものしか食べない、決まった食べ方をする、かんしゃくなど、食事関連の問題行動が5倍近く起こると報告されています。偏食が起こる理由は数多く紹介されていますが、ABA-MAXでは、お子さんに医療行為が必要な状況でない限り、偏食に取り組む課題を必ず設定しています。今回ご紹介させていただいた4歳の日向夏(ひむか)ちゃんを始めとして、挑戦いただいた皆様には確実に偏食を克服し、ご家庭で用意されるバランスの取れた健康的な食事を他のご家族と一緒に摂ることができるようになっていただいております。

親御さんより

日向夏は、元々はいろんな食べ物を食べてくれる乳児だったのですが、途中から離乳食で偏食が始まり、それから癇癪なども生じるようになりました。2歳からいろいろな療育機関でABAらしいことを開始しましたが、残念ながら偏食は改善されることなく、また癇癪やコンプライアンス低下、自助スキル不足も相重なって、これではいけない!!と本気で思い悩んでいた折に、上原先生と出会い、コンサルを開始して頂きました。

偏食内容としては手巻き海苔ご飯をとかく好んで食べる(むしろそれしか食べない!)ために以前は外食先や宿泊先に手巻き海苔をこっそりと持参して手巻き海苔ご飯を食べていた有様で、本来楽しいはずの外食、旅行先での食事時間が億劫で仕方なかったことを覚えております。コンサルを開始したことでコンプライアンスが著しく改善し、今までは癇癪を起こせば拒否できると思っていた態度が、とりあえずトライしてみようと思うようになったようで、新しい食べ物に関しても最初は警戒心や時に嫌がる姿勢を見せるものの、まずは食べてみようとするようになり、その美味しさを理解することで結果的に様々な食事ができるようになりました。今では白ごはん、味噌汁は当然のこと、カレー、チャーハン、麺類などの一般的な主食に加えて、ご当地グルメも食べるようになり、むしろ食事を楽しんでおります。結果的に食事が強化子になっている有様です。おかげで我が家には手巻き海苔は全く必要なくなりました!笑

上原先生のコンサルを始めたことで嫌がらず(癇癪せずに)に何かをやってみようとし、色んなことに興味やチャレンジする精神が身についていると実感しております。まだまだ課題は山積みですが、偏食の歴史のように今思えばあんなこともあったなぁ・・と思い出せるように日々ABAを頑張っていきたいと思います。

コンサルタントより

偏食課題を開始するまで、日向夏ちゃんのお母様は、毎度の食事には、日向夏ちゃんが食べるものを必ずご用意され、外食や旅行中でもご家族は食事を楽しむことができませんでした。今回撮り溜めていただいた日向夏ちゃんの日々の食事の様子は、まさか偏食でご家族が悩んでいたとは思えないほど豪快な食べっぷりを披露してくれています!「何も食べません」から「何でも食べてくれます!」ということを笑顔でご両親がご報告してくださった時のご様子がとても印象に残っています。何より嬉しく思うことは、ただ食べるようになったということだけではなく、多くのものを美味しそうに食べているということでした。ストレスを感じることなく、ご家族の大切な食事の時間を皆さんで楽しく過ごせるようになったことは、まさに生活の質の向上=ABAの極意ではないでしょうか。

日向夏ちゃん、もっともっとこれからも、色々なごはんを皆で楽しんでね!