ABAを始めてできるようになったこと

今月のできたよ!

9月のできたよは、現在特別支援級に通っている涼太くんがABAを始めてできるようになった両脚をバランス良く使う動作です。しっかりと歩くこと、階段を両脚で上り下りすること、遊具で遊ぶこと、乗ることなどは、お子さんの身体の発達ではとても大事なことです。そのひとつひとつが難しい日常であった涼太くんとご家族の取り組みの結果がこちらの映像です。

親御さんより

涼太がABAを始めたのは3歳でした。当時は、保育園に通いながら週3回往復30キロの距離をかけてABAの児童デイに通っていました。結果として模倣(課題)をひとつもマスターしていない状況が続いていました。余暇スキルもなく、「何の遊びが好きですか」の質問に親として何も答えられずこのままではいけないけどどうしていいか分からない毎日を過ごしていました。本人の好きな遊びらしきものは、家じゅうからいろいろな物の一部を集めて積み上げることでした。

そして、ABA-MAXにたどりついたのは、4歳になってすぐのころでした。まだその頃は、体が大きめでも移動はベビーカーがメイン、排泄はおむつ、食事は全介助で食べさせていました。 コンサルが始まり少しずつパズルや型はめが出来るようになり凄く嬉しかったです。 おむつはとれ、食事もまだお箸は使っていませんが、介助なく、スプーンやフォークの3点持ちできちんと食べられるようになっています。

課題に取り組みだすと癇癪がでたり、自傷行為、その他の問題行動が山盛りでなかなか課題が進まず、自転車の練習は辛くて3か月程さぼってしまったこともあります。 散歩をするにも、自家用車がある駐車場の近くを通れば、車に乗れるものと思っていたため、かんしゃくと自傷を起こす、それを克服したかと思えば、通りたくない場所があるとかんしゃくと自傷を起こす、の連続でした。それらを克服するのに、多くの時間がかかりました。ABAがなければ、全て涼太に合わせて生活をすることとなっていたと思います。自転車については、補助なしで手をはなすと、数秒自分でこぐところまできています。

他にも、上原さんに勧められた遊びでキックボードがあります。初めは3輪で練習して、1年程して2輪にして練習させました。涼太は左足がうまく使えないのか右足に頼るような癖があり、足を交互に使う動きが苦手でした。階段もいつまでたっても、足を交互に使う動きが見られず、遊具で遊ぶのも嫌がって登れなかったりしました。上原さんに相談してアドバイスをいただきプロンプトと強化しを使いながら練習を重ねてやっとジャングルジムに登れております。一段から二段目に登らせるにも泣くのでその都度対応をしながら、スモールステップでの取り組みで、ビデオのようにひとりで泣かずに登れるようになるのに2年程かかりました。

まだまだ未完成の課題や、学校で次々と変わっていく授業についていけなくて悲しくなることもありますが、周囲の理解に感謝しつつ、ABAでもっと涼太の出来ることを伸ばしてあげたいです。

コンサルタントより

普段何気なく私たちが行っている動作も、涼太くんにとっては、少しずつ、ひとつずつ乗り越えていかなくてはならない状況でした。歩く時は、かんしゃくやこだわりで進むことをせず、左右を交互に使っての階段の上り下りは難しく、キックボードについては左足で地面を蹴ることを避けていました。そのような中、親御さんが取り組まれ、涼太くんはスキルをつけていきました。最後の映像の遊具には特にご家族の時間と労力かかっていたため、ひとりで泣かずに上まで登っていく姿を初めて見た時は驚き、感激しました。映像以外にも、手押し車や自転車にも取り組んでくださっています。涼太くん、これからも、引き続き頑張ってできることを増やしていってね!