お料理
今月のできたよ!
11月のできたよ!は、小学生のかずくんが「はんぺんピザ」を作っている様子です。身辺自立のスキルも、身の回りのことができるようになると、お手伝いやお料理などのスキルを増やしていくことができます。
親御さんより
小学校に通い始めてから、かずは、日常生活の様々なことに関心を示すようになりました。特に、お料理への興味がとてもあったので、「将来、お腹が空いた時に一人で何か作れる様になれるといいな」と思いました。野菜を洗って皮をむいたり、お皿にもりつけたり等、少しずつできることの幅が広がるにつれて、より楽しめるようになってきました。材料を冷蔵庫から出すところから、食べ終えた後で洗い物をするまでを一人でできるようになることを目標に、まずは、簡単で本人が大好きな「はんぺんピザ」を作る練習をしました。
いきなり通しで全部やるのが難しかったので、作業をいくつかに分けて練習しました。冷蔵庫から材料を出すのは、日々料理する中で親が指示した材料を出す練習をしていたので、スムーズにできるようになりました。「トレイにアルミホイルを敷く」のと「スライスチーズのラップをはがす」のが少し難しかったですが、作業を細分化して繰り返し取り組んでいく中で、できるようになっていきました。
ABAを始めたころはお料理ができるなんて夢のまた夢で考えもしませんでした。上原さんから日常生活に必要なスキルにつながっていく課題を丁寧に粘り強くご指導いただく中で、着実な成長を実感できるようになりました。もちろん上手くいくことばかりではなく、つまずいてしまう課題もありました。私たちがもう無理かなぁとあきらめかけてしまいそうになっても、いつもいろいろな解決策をご提案いただけたことで乗り越えることができました。私たち家族の生活は笑顔がとても増え、いろいろな事に挑戦できる様になりました。小学校に入学した頃は、一つ一つの作業を今よりも細分化して教えないとできなかったのですが、最近は「模倣力」「集中力」「やってみたい!という好奇心」などが上がり、できる様になるまでの時間が短くなってきました。まだまだ課題はたくさんありますが、目の前の課題に取り組みながら、いろいろな挑戦を楽しんでいきたいと思います。
コンサルタントより
かずくんはお料理に興味がありそうであるというお話しを親御さんから伺い、まずは包丁で大福やかまぼこを切るなどのスキルから取り組んでいただきました。指を切らないように指を曲げて、切る対象物を軽く抑えるスキルをかずくんのお母さまはご丁寧に教えられていらっしゃいました。その後、ぎょうざの具をつめるなどのお手伝いをしていく中、最初から最後まで全てひとりで行えるお料理を考えていただきました。かずくんの親御さんは、ABA歴も長く、さまざまなスキルにとても丁寧に取り組んでくださることから、このお料理については特にコンサルでご指導することもなく、スモールステップで繰り返し練習をされました。
かずくんの親御さんがおっしゃっているように、数年前にかずくんにお会いした時のことを考えると、安全面などを考えると落ち着いてお料理に取り組む姿を想像するのはなかなか難しかったように思います。なので、このように落ち着いてはんぺんピザを作る様子に感動しました。
お子さんの行動が落ち着き、ABAの関わりを親御さんが習得されますと、教えたいと思われるスキルを教えることができるようになります。お子さんを中心としてチームで教えていく中、最初は似通った基本課題に取り組んでいただきますが、やがてそれぞれのご家庭のニーズやお子さんの興味に合わせて一緒に課題を生み出していくような感じになっていきます。お料理は身辺自立として大事なスキルですが、かずくんが楽しいと思えることは何よりです。
かずくん、これからもお料理の種類を増やしていって、おいしそうなはんぺんピザをいつかご馳走してね!