写生

今月のできたよ!

12月のできたよ!は、年長さんのぽんちゃんが、雪だるまのぬいぐるみを見て描いているところです。子どもの絵の発達は、物を見て描くよりも先に自分の知っている物、心の中に作られているイメージを表現すると言われています。確かに園での課題も、遠足や運動会の思い出などを絵にすることが多くあると思います。ABA-MAXでは、そのような絵のスキルを培った頃に目の前にある物を見て描く課題を提案しています。

親御さんより

ABAを始めたのは娘のぽんが2歳頃の時でした。
とにかく慣れない場所や人見知りをして、どこに行っても何をしても泣いてばかりでした。園ではおもちゃで遊んだりするものの、1つの事に集中して遊ぶ事が出来ず、興味がある幅がとても狭いと感じていました。周りの子達がぬりえを楽しくやっていても、ぽんはぐるぐる描きをちょこっとやってすぐにおしまいといった感じで全く楽しんでいる様子もありませんでした。

しかし、これからぬりえやお絵描きは長く付き合っていく問題ではあるので、まずはぬりえから始めました。クレヨンを使って斜めに塗るところからだったのですが、上手く出来ず泣きながらクレヨンを投げたり、ぬりえの課題を始めようとすると泣く事から始まり、問題行動の消去に時間がかかってしまい、親の方も正直気持ちが折れてしまっていたのですが、毎回上原先生にいろいろな解決策や私達の気持ちに寄り添って励まして下さり、上原先生のお陰で辛い時も乗り換えられました。

絵を描く課題を始めたのは5歳の時でした。それまでに鉛筆の持ち方から始まり、丸や三角などの図形から始めました。絵を描く事にもあまり興味もなく、苦手意識もあったので家で絵を描く事があまりなかったのですが、動物や人をパーツごとに分けてスモールステップで進めていったところ、本人も描き方をマスターしていき、自分で描けるととても嬉しそうにしていました。それをきっかけに描き方がわかり、自分の好きなキャラクターのちびまるこちゃんの野口さんを描いたり、どんどん自分で絵を描くようになっていきました。

私自身、絵は自分で描けるようになる物と思っていたので、教えたらこんなに描けるようになるんだと感動してしまいました。上原先生がよくおっしゃる「興味がないのではなく、やり方を知らなかったんだ」というのに改めて気づかされ、その大切さを上原先生を通して知る事が出来ました。最近ではお絵描きがとても好きになり、鼻歌を歌いながら毎日楽しそうに描いています。

今でも新しい課題を始めたりする時には苦手意識が強く泣いてしまうぽんですが、ゆっくりでも1つ1つ習得していく姿がとても頼もしく思えます。ABAを始める頃、上原先生に「これからどうなっていきたいですか?」と聞かれ「笑顔で楽しく過ごせるようになりたいです」と答えました。今現在、つまずく事もたくさんありますが、笑う事も増え毎日とても楽しいです。あの時には全く想像が出来ませんでした。

上原先生には感謝してもしきれないくらいです。本当にありがとうございます。これからも大変な事がたくさんあるかと思いますが、絶対に諦めずいろいろチャレンジしていきたいと思います。

コンサルタントより

ぽんちゃん、とても可愛らしい雪だるまの絵を描くことができたね!マフラーの柄も注意深く見て線や色で再現していました👍

写生の課題に入るまでは、必ずしも見ていない風景や動物、人などを描いていました。人を描く時は、体のパーツのバランスや5本指などがうまく描けるように繰り返し練習をして、顔の表情の描き分けにも挑戦してもらった後、好きなキャラクターのイラストなどを模倣したり、身の回りの物を写生する練習に入ってもらいました。コップや容器などの比較的シンプルな線で描ける物から、順番にお人形やぬいぐるみなど複雑な物へと練習を重ねてくれました。

最初は、直しをお父さんやお母さんから指摘されたり、描いていてわからなくなった時に泣いてしまうこともありました。それでも、お父さん、お母さん、ぽんちゃんと皆で毎週様々な物を描き続けた結果、自分で見て時に消しゴムを使って描いてくれるようになりました。ぽんちゃんご一家は、困難なことがあっても素晴らしいチームワークで一歩一歩丁寧に取り組んでくださいます。教えられていて何が難しいのか、きちんとコミュニケーションをとってくださいます。そうしていくことで苦手なものは、取り掛かることができるものとなり、やがて好きなことや得意なことへと変わっていく様子がいろいろな課題を通して見ることができます。

来年度はいよいよ小学生になります。苦手なことに直面したとしても、これまでのようにチーム「ぽん」で一緒に乗り越えていきましょう。そしてぽんちゃん、楽しいことをもっともっと増やしていってね。