受容課題の般化
6月のできたよ!
2025年6月のできたよ!は、音や言葉を出すのが難しい年中の颯太くんが、お話が難しくてもできることを披露してくれている様子となります。
親御さんより
颯太の発達の遅れに焦りを感じ始めたのは、一歳半検診の少し前でした。自立歩行しない、指さしをしない、話し掛けても上の空で何を考えているのか分からない、発語がない…。
不安に駆られネットを彷徨い、同じような体験談を見つけては一喜一憂の日々を過ごしましたが案の定、一歳半検診で引っ掛かり、担当した若い小児科医からは『一歳半で歩かないなんて有り得ない、こんな子は初めてだ』と言われ、泣きながらベビーカーを押して家まで帰ったのを覚えています。
その後、2歳前にようやく歩けるようになり一安心していたのですが、その頃から顔の前で手をひらひらさせる、つま先立ちで歩くといった行動が出始め、一度発達の専門家に診てもらおうと言うことになり、佐々木先生の所へ伺いました。そのとき初めてABAの存在を教えて頂きました。
ですが、この時はABAではなく一般的な療育を始める方を選択したのですが、ほぼ毎日色んな療育を駆けずり回ったにも関わらず、指示が通らない、発語なし、呼名反応すらなし…と、具体的に何が出来る様になった訳でもなく、『1年以上こんなに頑張っているのに、どうして?』と、また悩む日々になっていました。
そしてようやく転機が訪れ、3歳を過ぎた頃、『もう一度、佐々木先生に相談してみよう』と、再び佐々木先生の所へ伺い、ABA-MAXのご利用者さんが大きくご成長された様子を教えていただき、大変衝撃を受け、主人と相談し、『ABAに賭けよう、もうこれしかないよ』と、その日の夜のうちにABA-MAX様へ連絡のメールをしたのが始まりです。
ABAを始める前は、自分も他の親御さんみたいにちゃんと出来るかな…と不安でしたが、私の心配より何より、颯太はABAで学ぶことが好きらしく、楽しそうにしている姿に助けられました。
癇癪は少ない方で、教えると頑張って取り組んでくれるのですが、自己刺激を人前でやってしまったり、『あ』と言う言葉も出る様になり喜んでいたのですが、そのあと何故か出なくなってしまい、また無発語の時期を長く過ごしたりしました。
しかし、颯太は発語や運動機能に関しての遅れはありますが、言葉での表出は難しくとも聞かれた事に関してはカードを選んだり、指さしをしたり、文字や数字を覚えるのも早かったので、平仮名・カタカナなどを使って学ぶ術を上原先生から教えて頂きました。
動画の課題ですが、最初は物の名前を一つ一つ教え、文字を理解した後は文字で名前を教え、更に分類を教え…という流れで学習しました。英語も好きなので、英語のおもちゃを買い与えた所、遊びながら色々な事を学んだので、動画の後半では般化として職業を英語で質問して答えてもらっています。
ABAを学んで良かった所は沢山あります。
まずは発語が乏しい颯太が何がしたいのか、絵カードなどを使ってコミュニケーションが取れるようになったり、指示が通る様になりました。
それから週に一度、専門家である上原先生とお話させて頂くことが一番大きいです。
質問をすれば直ぐにどうすれば良いのか、最適な方法を教えて頂ける安心感、心が折れることがあれば自分のことの様に一緒に悲しんだり、励まして頂けることが、私達の心の一番の支えになっております。
そして同じABA-MAXで学んでいらっしゃる方々のお話もとても参考になり、同じ様に頑張っている人達がいるんだと日々の励みになっております。
上原先生、佐々木先生、ABA-MAXの方々、本当に有難うございます。
そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
コンサルタントより
受容課題が合格すると、次は表出課題という流れになっていることは、ABAを行なっている方であれば、皆さんご存知だと思います。
例えば、動物の名前を教える課題であれば、まずは「パンダはどれ?」と聞き、パンダのカードを指すことができるようになる(受容)と、「この動物の名前は?」と聞き、「パンダ」と答えてくれる(表出)のであればそれは理想です。
ところが、言葉が出ている、出ていないはそれぞれですし、言葉がいつ出るのかわからないという状況の中、ひたすら同じ受容課題を続けていくことは、お子さんにとっても教える方にとっても飽きてしまいますし、生き詰まりを感じてしまうこともあるのでしょうか。
そんな中、颯太くんと颯太くんママは受容課題をどんどん般化していくことに取り組んでくれました。
表出が難しければ、受容課題のやり方を応用させ、ビデオのように颯太くんママによる様々な指示に颯太くんは応えてくれるようになったのです。
颯太くん、お話が難しくても、できることがあることを見せてくれてありがとう!
また、ひとつひとつの課題を丁寧にこなされる颯太くんママもいつもお疲れさまです。
引き続き、颯太くんができることを一緒に増やしていけるといいなと思っています。