ブロックでオリジナル作品

今月のできたよ!

5月のできたよ!は、年長さんの翔太くんのひとり遊びの様子です。

親御さんより

2歳頃に上原さんのABA療育のコンサルを受け始めた翔太は、当初は感覚遊びしかできませんでした。おままごとの道具を使っても、ただお皿やコップを回すばかりで、そんな息子の姿を見ていて辛かった気持ちを今でも覚えています。また翔太は当初模倣のスキルも低く、周りの大人や子供の遊びを真似することはほぼありませんでした。一人では物を回す感覚遊びに耽ってしまっていたので、常に大人が傍にき介入しなければならない状況でした。

ABA療育を開始してからは、まず紐通しやコップ重ねなど、単純な遊びを教えました。途中でふざけることや、嫌がって最後までできないこともありましたが、根気強く繰り返し練習することで、できる単純な遊びのバリエーションが増えていきました。

次に、おままごとや車で遊ぶ方法を模倣で教えていくと、少しずつプラレールやおままごと遊びなどを好んで一人で遊ぶようになってきました。遊びのスキルを教え始めた当初は、スキルが身についても、中々自由時間に1人で遊ぶことはないと困っており、上原さんにそのことをよく相談していました。
しかし、上原さんに教えてもらった通り、遊びのスキルのバリエーションを増やしていくことで、気がつけば、教えたスキルの中で好きな遊びを自分でもできるようになっていたのです。

ブロック遊びでは、まず大人の動作の真似をすることから教えて、次に説明書を見てその通りに作る方法を教えました。今では動画のように、説明書にはない、オリジナルなものを一人で作れるようになっています。何を作っているのか聞くと「バーベキュー」と答えていました。立体感覚が乏しく上手くブロック遊びを教えられない私に比べ、夫がとても上手だったため、ブロックの課題は主に夫が担当しました。
翔太は夫が次々とかっこいいロボットや車を作っていくのを喜び、作るようねだっていました。興味を持ったものから、夫が作り方をスモールステップで教えていったことが刺激になったのかもしれません。また、最初は大きなブロックを買って教えていましたが、徐々に小さなブロックに変えて教えるようにしました。これも息子のスキルを伸ばす上で良かったのかもしれません。

習い始めた当初は、遊びという複雑なスキルをどうやって教えるのか、また教えても自分で遊べるようにはならないのではないか、と心配していましたが、それは全くの杞憂でした。やり方を知らないだけで、一つ一つ遊び方を教えてあげることにより、自分で遊ぶことができるようになるんだ、とこの3年で実感しています。息子は塗り絵やブロック遊びが好きになり、15分程度なら自分で一人で遊べるようになったのが、とても嬉しいです。

園でも他の子供と並行してブロックで遊んでいるようですが、まだ他の子供と一緒に遊ぶのはできていません。今後は他の子供と上手にコミュニケーションを取りながら遊びを楽しめるよう、上原さんの教えを受けながら、また一つ一つスキルを教えていけたらと思います。

コンサルタントより

今回投稿していただいた動画は、コンサルで具体的にお出しした課題ではありません。

翔太くんのお母さんがご説明してくださっているように、元々は一人でやり切ることができるタイプのおもちゃ遊びを課題としてお出しし、その後、ものを作ったり、ものを使っての遊びなどをお父さん、お母さんに根気強く教えていただきました。そして、説明書に従うタイプのブロックを作れるようになってから、この動画のようにオリジナルなものを作ることに興味を見出してくれました。

ABAによって、モチベーションを上げたり、スキルをつけていくことで、それまでは取り組んでいなかったことに興味を持ってくれたりすることがあります。これはひとえに、お父さんやお母さんが一人遊びに興味を持ってくれるよう一つ一つを丁寧に積み上げていった結果だと思い、このような翔太くんの姿をご報告していただき、心から嬉しく思いました。この他にも、素敵な作品を見せていただいております!

翔太くん、これからも沢山のかっこいいものを作ってまた見せてね。楽しみにしているよ〜!