神奈川県 ひまわりさんのお話

年長 夏休みの課題の表紙

ABAに出会えたのは4歳直前でした。子どもは、一見穏やかなようで実は頑固で指示が通らないなど、コンプライアンスは始めあまりありませんでした。言葉についてはママ、ばば、アー、ウー程度の発語で、意味のある言葉は殆ど発していませんでした。スキルとしては、スプーンやフォークを3点持ちで使うことはせず、ハサミの切り口がギザギザ、色塗りは落書きをするかのように雑で、指でぬるタイプののりも嫌がっていました。

また、社会性の面からは、お友達と一緒に遊ぶ様子を見ることはほとんどありませんでした。問題行動については一つ対応するとまた次の何かが出てくるような感じでした。変わった角度から物を見続けたり、くるくると回り続けたりすることがありました。また、自分や他者を叩く、園の衣替えの時期に夏服や決まったマークのついた体操着を嫌がりました。

外出時は同じ道を通りたがり、通らなくてはならない方向へ行くと泣いて自分の行きたい方向へ私を引っ張ることもありました。石鹸を使って手を洗うことを教えていても、一度母親以外の人が石鹸を使わなくていいとすると、床に30分以上寝転んで母親に抵抗するという行動を取ることがありました。

バスが好きで見かけると見境なく突進するような行動もあり、冷や冷やすることもよくありました。それ以外にも泣いているお子さんに過剰に反応し自分も泣く、お友達に近づき過ぎて頰などを触るなどをし、できることをさせようとしても言うことをなかなか聞いてくれませんでした。食生活においても、魚や野菜は食べないなどの偏食もありました。

他の療育機関に通い、他のセラピーは受けていたもののこのままで子どもが成長していけるのかと焦っていた折、運良く上原先生の講演会に参加できました。ABAについては多少知っていたつもりだったのですが、厳しいというイメージがありました。講演会で見せていただいたビデオを見る直前までは、恐らくお子さんたちはやらされているだけなのではないかと想像していた部分もあったのですが、実際はセラピービデオからは子どもが楽しそうに学ぶ様子を見て、楽しそう、子どもにやってみたい、と思い、上原先生にご連絡をしました。

サッカー練習

コンサルを始めた最初のうちは、出来ることが増え子どもの笑顔が増えていきました。療育をコンサル一本に切り替え続けるうちに、子ども自身が練習すればできることがたくさんあることに身をもって経験していきました。そしてコンサルが進んでいくにつれ、最初に挙げた数々の問題行動も克服していきました。

そのような経験を通して親の目に一番感じるのは、コンサル前は見られなかった、自分に自信がついてきたような、自尊心の高まりが見られることです。最近では家のお手伝いなど親の方から新しく身につけてもらいたいことにも、興味を持って取り組んでくれます。コンサルで教わったように進め、上手くできた時は親子共々嬉しいものです。また、習い事の先生からも、時間がかかる場面で粘り強く取り組めている、との声を頂くことができました。このように家族以外の大人に子どもが褒めてもらえることは、コンサルを受ける前にはあまり想像できませんでしたので、子どもを誇らしく感じられるようになりました。

コンサルを受けて、家族との関わりで大きく変わった点は、父親と上手く遊べるようになったことです。コンサル前は互いに一方通行でしたが、コンサルを受けてからは交流しながら遊べるようになり、勝負のつく遊びで勝ち負けに関わらず、穏やかに終われるようになりました。また私の母は、孫と二人で出かけられるようになったことをとても喜んでおります。二人だけでバスに乗り散髪に行ったりするなど、行動の幅が広がっています。

コンサルの時間は楽しく毎回あっという間でした。子どものことをどこまで話せばよいかを考えずに何でも話せる環境はとても貴重で、頑張ろうという気持ちになり、子どものためのコンサルなのに私自身の楽しみでもありました。また、先生から「チーム」と言って頂いたことも嬉しかったです。子どもを一緒に見ていけることは、近所にABAをしている家庭がなかった私の孤独感を減らし、励みとなりました。そして上原先生が年単位で子供の成長を考えてくださっていたことが、現在の私の子育ての基礎になっています。

小1 版画”自分の顔”

コンサルを受ける前、私は子どものこともあり、ネガティブになりがちだったのですが、いつも明るく前向きな上原先生に数々の場面で救われました。子ども以外のことで悩んだ場面の相談で、自分では思いつかないやり方で私が実行できそうな具体的な対応の仕方などを教えて頂き、その通りにすると結果は良い方向に変わりました。例えば担任の先生とのやりとりでは、私が子どものことで上手く話ができず困っていた時に、どの様に話をしたら良いかをご相談したところ、スムーズに話ができるようになりました。また、私以外の家族の療育への参加が進まず悩んでいたのでご相談したところ、家族それぞれの特性を考慮してやりやすいことを行ってもらう具体案をいただき、それぞれが参加できるようになり、子どもの般化にもなりました。

このように子どものことだけに関わらず、親も含めた子ども周り全般について対応して頂けることは、親自身の悩みが減り、親の気持ちの状況が良くなると子どもにも良い状況で時間を使うことができ、結果として子どもの成果が上がるようなサイクルを作って頂いたと感じています。

本当にありがとうございました。

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