靴紐二刀流

今月のできたよ!

今月のできたよ!は、年長さんの湊くんによる靴紐結びです。靴紐結びは、平均で5歳から7歳の間に学び始めるといわれています。靴紐を結ぶスキルは、指先のスキル、それを目で追うスキルなどを必要とし、言わば微細運動の集大成といえるのではないでしょうか。また、靴紐を初めて結べる様になり、やり甲斐を感じることも、お子さんの成長にとって大切だと思います。

親御さんから

息子の湊(5歳7ヶ月)はこれまでマジックテープでとめる靴を履いてきました。成長とともに足も大きくなり、サイズが大きな靴はマジックテープがないタイプも多くなってきた為、自助スキルとして「靴ひもを結ぶ」課題に取り組みました。課題にあたって上原さんから「最初に輪っかを1つ作る方法」と「最初に輪っかを2つ作る方法」の二通りの方法を教えていただき、どちらか本人のやりやすい方法で結べることを目標に練習をはじめました。

練習をはじめた頃はうまくできないと、ぶつぶつ文句を言うこともありましたが消去や強化子でその都度対処することで、課題を投げ出すことなく取り組め、二通りの方法どちらでも結べるようになりました。
上原さんのコンサルにお世話になりはじめたのは湊が4歳になる直前でした。その頃の湊は、言葉が出ておらず、こだわりが強く何でも自己流で物事をすすめ、私達がいろいろと教えようとしても聞く耳をもちませんでした。当然、うまくいかないことが多くできないものは途中で投げ出し癇癪をおこしていたので何かを根気強く取り組むということはできませんでした。

度重なる癇癪に私たち夫婦は疲弊し、我が子の躾もできないことへの無力感、将来への不安からネガティブなことばかり考える毎日でした。コンサルを受けはじめて、教えていただいた課題や生活での関わり方、問題行動への対処法を日々実践していくうちに、次第に湊のこだわりや癇癪は減っていき、とても穏やかな子どもになり色々な提案を少しずつ受け入れてくれるようになりました。やり方を提示し、それを再現し、癇癪をおこさず繰り返し練習する。そして、そのやり方にこだわらず、さらに別の方法にも挑戦しようとする。簡単なことのようですが、コンサルでご指導いただいたことの日々の積み重ねが靴ひもを結ぶというスキル獲得につながったのだと改めて感じます。

まだまだ乗り越えていかないといけない課題はありますが、少しずつ湊の社会性が高まり世界が広がっていくのを実感しています。私達夫婦も以前のネガティブな思考から解放され、前向きに子育てに取り組めるようにりました。そして、湊の未来を思い描くことができるようになったことを心から嬉しく思っています。

コンサルタントより

湊くんのご両親がコンサルにたどり着いてくださった頃は、確かに、言葉が出ておらずかんしゃくなどを始めとする問題行動に大変悩まれていらっしゃいました。親御さんとしてお子さんにいろいろなスキルを教えてあげたい、というご熱意を表現された頃を懐かしく思います。そんな湊くんも、ついに年長さんとなり、様々なスキルを身につけてくれました。今回学んでくれた靴紐を結ぶスキルは、なんと二刀流です!どちらか一つを選んでくださいと申し上げたところ、両方マスターしてくれました。スニーカーの紐をささっと結んで立ち上がってくれる姿は、とてもかっこいいです!

湊くん、これからもお父さん、お母さんからいろいろなことを学ぶのが楽しみだね。